コラム
Column
2026.04.01

オルゴールの種類・仕組み・選び方|シリンダーとディスクの違い・弁数まで徹底解説|ニデック オルゴールショールーム(Vol.2) 

【オルゴールの種類・仕組み・弁数】

今日はオルゴールの種類や仕組みの違いをわかりやすく解説していきます。

一口にオルゴールと言っても、実はオルゴールにはいくつかの種類があります。
いざオルゴールを買おうと思ったとき、
 「どうやって選べばいいのかわからない」
 「いろいろな値段のものがあるけれど、何が違うのかわからない」
と感じる方も少なくないのではないでしょうか。

大切な人へのプレゼントとしてオルゴールを選ぶ場合でも、自分のために購入する場合でも、オルゴールの基本的な知識が少しあるだけで、選び方はぐっと分かりやすくなります。
そこで今回のブログでは、オルゴールの種類や仕組みについてあまり知らない方のために、

・オルゴールの種類
・シリンダーオルゴールとディスクオルゴールの違い
・オルゴールが音を出す仕組み
・音の豊かさに関係する「弁数」

といった基本的なポイントを、できるだけわかりやすくご紹介していきたいと思います。

【オルゴールの種類|シリンダーとディスクの違い】

現在知られているオルゴールにはいくつかのタイプがありますが、大きく分けると
・「シリンダーオルゴール」
・「ディスクオルゴール」

という2つの種類に分類することができます。

このほかにも「紙巻きオルゴール」や「ふいご式オルゴール」など、少し珍しいタイプのオルゴールも存在しますが、一般的に知られているオルゴールの多くはこの2種類です。実際、観光地のお土産店などで売られている小さなオルゴールを含め、皆さんが普段目にしているオルゴールのほとんどは「シリンダーオルゴール」と言ってよいと思います。
オルゴールの裏側にあるゼンマイのハンドルを巻くと、きれいな音色が流れてくるタイプのオルゴールです。

一方で、オルゴールミュージアムのようなアンティークオルゴールを展示している施設に行ったことがある方は、丸い金属の円盤が見えている大きなオルゴールを見たことがあるかもしれません。
その金属の円盤が回転しながら演奏するオルゴールが、ディスクオルゴールです。
実際にその音を聴くと、普段聞き慣れている小さなオルゴールとは違い、かなり迫力のある音量に驚かれる方も多いと思いますちなみに、前回のブログ(vol.1)でもご紹介しましたが、ニデックインスツルメンツが製造販売している 「ORPHEUS 80弁×2」 も、このディスクオルゴールの一つです。
(前回のブログ:https://nidec-orgelshowroom.com/column/column-1515/

【オルゴールの歴史】シリンダーオルゴールからディスクオルゴールへ

オルゴールは18世紀末にスイスで発明されたと言われています。
そして最初にヨーロッパで開発され、普及していったのがシリンダーオルゴールです。
当初は小さなオルゴールから開発が進みましたが、次第に
・長い時間演奏できるもの
・複数の曲を演奏できるもの
といった大型のシリンダーオルゴールも作られるようになっていきました。

しかしシリンダーオルゴールは製造に非常に手間がかかるため、当時はどれも高価なものでした。
そのため庶民が楽しむ音楽装置というよりは、王室や貴族など富裕層の調度品として広まっていったと言われています。

その後、19世紀末になるとドイツでディスクオルゴールが開発されます。

ディスクオルゴールは、金属ディスクを交換することで簡単に違う曲を演奏できるという大きな特徴がありました。
さらにシリンダーオルゴールよりも比較的低コストで製造できることもあり、20世紀初頭にかけて多くの機種が開発されていきます。
大きな金属ディスクを使うため本体は大型になりますが、
・曲を簡単に交換できる
・大きく迫力のある音が出る
といった特徴から、ヨーロッパやアメリカでは「ビヤホール」「レストラン」「集会場」など、人が集まる場所に設置されるようになりました。

当時はまだ蓄音機も一般には普及しておらず、一般の人たちが生演奏を聴く機会も限られていました。そのためディスクオルゴールは、庶民が気軽に音楽を楽しめる自動演奏機として人気を集めていたようです。昭和の時代に流行った、ジュークボックスのような存在だったと言えるかもしれません。

しかしその後、蓄音機や自動演奏ピアノなど新しい音楽機器が発明され普及していく中で、オルゴールの需要は次第に減少していきます。
さらにヨーロッパでは世界大戦の時代を迎え、オルゴールを製造する環境そのものが大きく変化していきました。
特に大型のディスクオルゴールは生産数が急激に減少し、現在ではその製造技術を維持しているメーカーは世界でも数社程度と言われています。それでも、シリンダーオルゴールとは異なる力強く豊かな音色を持つディスクオルゴールには、現在でも多くの愛好家がいます。
アンティークディスクオルゴールはコレクターの間で取引されており、オルゴールミュージアムなどでも大切に保存・公開されています。

【オルゴールの仕組み|音が鳴る仕組みを解説】

ここまでオルゴールの種類についてご紹介してきましたが、実はシリンダーオルゴールもディスクオルゴールも、音を出す基本的な仕組みは共通しています。
オルゴールの音の元になるのは、櫛(くし)のような形をした金属の板です。

この部品は「振動板」もしくは「コーム」などと呼ばれますが、わかりやすく「櫛歯(くしば)」と呼ばれることもあります。
この櫛歯には細い歯が並んでいて、それぞれが違う音程の音を出します。
この一本一本の歯を「弁(べん)」と呼びます。
オルゴールは、この弁を弾くことで「ピーン」という音を出し、それが連続することでメロディーが演奏される仕組みになっています。

(シリンダーオルゴールの仕組み)

シリンダーオルゴールは、名前の通り筒状のシリンダーを回転させて演奏します。
シリンダーの表面には小さな突起やピンが並んでいて、ゼンマイの力でシリンダーが回転すると、その突起が振動板の弁を弾きます。
この動きが次々と繰り返されることで、メロディーが演奏されます。

シリンダーオルゴールはコンパクトなものが多く、プレゼントやお部屋のインテリアの一つににおすすめです。

(ディスクオルゴールの仕組み)

ディスクオルゴールは、金属のディスクを回転させて演奏するオルゴールです。
ディスクの表面には穴が開いていますが、裏側を見るとその部分に小さな突起が作られています。
この突起が「スターホイール」という歯車を動かし、その動きによって振動板の弁が弾かれ、音が出る仕組みになっています。
ディスクが一周すると、1曲の演奏が終わります。

ディスクオルゴールは、音量や迫力を重視する方に向いているといえます。

【オルゴールの弁数とは?音の違いと選び方】

オルゴールを選ぶ際によく目にするのが、「〇〇弁」という表記です。

例えばカタログや商品説明に『30弁』『50弁』などと書かれている場合、それは振動板にある弁(櫛歯)の本数を表しています。オルゴールの弁数とは、音を出す金属の歯(弁)の数のことなのです。「30N」「50N」と書かれている場合もありますが、これも弁の本数のことで、 N は Note(音) の意味です。

弁はそれぞれ異なる音程を出すことができるため、弁の本数が多いほど表現できる音域が広がります。つまり弁の本数が多ければ多いほど、
・メロディーにハーモニーを加える
・複雑なアレンジを演奏する

といったことが可能になります。

そのため一般的には、弁数が多いオルゴールほど豊かなメロディーを奏でることができると言われています。
実際に弁数の多いオルゴールほど価格も高くなる傾向があります。

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【最後に】オルゴール選びは弁数だけでは決まらない

今回は、
・オルゴールの種類
・シリンダーオルゴールとディスクオルゴールの違い
・オルゴールの仕組み
・弁数による違い
についてご紹介しました。

ただし、オルゴールを選ぶ際には弁数だけで良し悪しを判断するのはおすすめできません

オルゴールの音は、「筐体(ケース)」の構造や素材によっても大きく変わりますし、インテリアや調度品としての魅力も重要な要素になります。
また、どのような場所でどのように楽しむかによっても、選ぶべきオルゴールの種類は変わってきます。

次回のコラムでは、シリンダーオルゴールについてもう少し詳しくご紹介しながら、オルゴールを選ぶ際のポイントについてお話ししたいと思います。

(Akio Hisada/ニデックインスツルメンツ)

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